今回の電話はいつもとは違います・・
「特殊清掃だけってやってもらえます?・・」
遺族ではないとすぐわかったのですが、お尋ねすると不動産管理会社からでした。
「実は血で部屋が汚れてるんです・・大丈夫ですか?」
担当の方は異常に申し訳なさそうに言うので、
「普通じゃないな・・」
とすぐ分かりました。
「明日お願いしたいのですが?」
明日は現場が朝から入っていたので別に日に調整を依頼すると
「何時になってもかまいません!!お願いします!」
緊急事態というのが電話を通じて伝わってきます。
結局夜の8時に現場のマンション前で待ち合わせをしました。
次の日現場をしていると担当の方から着信があります。
「本当に今日大丈夫ですか?」
藁にもすがる心境なのでしょう。
私どもは専門会社ですから・・・と現場作業をしながら説明しました。
昼過ぎにも着信です。
「何時ぐらいに来られるでしょうか?私も中の電化製品のメーカーと型番を控えないと
いけないのですが、一緒に入ってもらっていいですか?」
どうも経験が浅い営業マンでしょうか?
「我々がいれば大丈夫ですよ!そんなすぐ終わる作業でもないので一緒に
お付き合いしますよ!」
「よろしくお願いします。」
昨日から部屋に入るのがかなり気になっている様子でした。
そしていよいよ現場へ・・・
外は暗くなり、マンションの前に行くとその営業マンは待ちくたびれた様子でした。
「一人で入れないので待っていました・・」
その時は、不動産管理会社に勤めていて、孤独死や自殺の現場に
それほどビビッてしまっては仕事にならぬのでは・・・などと勝手に思って
いましたが・・。
かなり緊張している営業マンをほぐしてあげようと談笑しながら部屋まで向かいました。
「では、よろしくお願いします!」
と営業マンがドアを開けたとき
「うわぁぁぁぁ・・・」と迂闊にも声を上げてしまいました。
続く

