大阪郊外で行った遺品整理現場でのことです。
依頼主は娘様ですが、ここ数年連絡も取ってなかったようです。
きれいに片付けられた家は、梱包もあまりなく淡々と家財道具を搬出するだけでした。
ベランダには灰皿と吸殻が置いていました。

団地の上層階なので見晴らしがよく、前に大学のグラウンドが見え運動部の声が聞こえます。毎日ここで座ってタバコを吸いながら外を見ていたのでしょうか?
娘さんによると父は10年以上一人暮らしをされているとの事でした。母を亡くしてから父とは疎遠になっていたと言ってました。
複雑な思いがあるご様子でしたが、事情まではお聞きすることはできませんでした。
今親子間で1ヶ月に1回連絡すればいい方なのかもしれません。
子供たちは今の生活に追われて親の事まで考える事は、大変と感じる人もいるようです。
だけど父は仕事はリタイアし、同じ毎日を繰り返すだけだったのでしょう。娘さんやお孫さんと色々話したかったんだと思います。
依頼人の娘さん(孫)はこの春から大学生になると言っていました。
お父さんは10年ほど見ていない孫の姿を、窓から見える大学生に重ねていたのかもしれません。きっと淋しかったと思います。

